市指定天然記念物
カヤ
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名称 カヤ
指定年月日 昭和48年5月30日
概要 樹高約16m 根廻り4.01m
所在地 安佐北区可部町上原登竜428-2

 安佐北区の鬼ヶ城山西側斜面に広がるヒノキ林の奥深く渓流のほとりに大きなカヤの木があります。根元はヤブニッケイの低木とぴったりくっついており、幹の上にはヤブツバキ、カズラ、フジなどの着生植物も見られます。
 この木の正確な樹齢はよくわかりませんが、文政2年(1819)に藩に提出された報告書に、すでに可部地方の巨木として載せられているのでかなりの老木と思われます。また樹幹には「山の神」と書かれた木札が掛けてあります。これは神が地上に降り立つ時の「依り代」であるとして、この木を信仰していた昔の人々が与えた名前でしょう。渓流に洗われながらも力強く根を張って立つ姿は、まさにその名にふさわしいものです。
 カヤは広く日本全域に分布し、材質が緻密で美しいことから、上質の木材として将棋盤などによく使われる木です。成長は大変遅いのですが、まれに樹高25m胸高幹囲で直径2mに達することもあります。このことからこのカヤは、ほとんどその極限近くまで生育しているとも言えそうです。


「広島市の文化財」広島市教育委員会編より。
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