県指定無形民俗文化財
水内神楽(みのちかぐら)
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名称 神楽―五龍王―(水内神楽(みのちかぐら))
指定年月日 昭和38年4月27日
所在地 佐伯区湯来町和田 水内神楽保存会

◆概要
 水内神楽の五龍王は、他の地方の王子神楽五行祭と称される舞です。太田川沿岸部に僅かに残る石見神楽の一派矢上系で、比較的純粋に神官舞いの古い形を伝えています。舞は、勇壮な剣舞を主としています。筋書きは、4人の同腹の龍王兄弟に対し1人の異腹の末弟が遺産分配をする争いで最後は和解します。
●五龍王の舞
 5つの場面に区切って舞います
1、息子道行…未弟五郎王子が4人の兄に対する遺産要求の場面で長い間答を主とします
2、八ツ花……兄四龍王が結束を固める舞でアクロバット式剣舞を見せます
3、白湯………兄四龍王が抗戦準備の場面で薙刀舞を見せます
4、五刀………末弟五郎龍王修業の場面で単独舞、5つの刀をもって舞います
5、王子合戦…4人対1人の合戦で門前王の仲裁によって和解します

  最初と最後の場面に問答がありますが、中3つは無言の舞で、どれも長い一連の舞で長時間を要します。

■豆知識■

神楽
 神楽は、古くから宮廷で行われてきた御神楽と、民間で行われる里神楽の二つに分けられます。沼田町の阿刀神楽や西原の十二神祗神楽は里神楽に入り、中国地方一帯に伝承される出雲神楽の流れをくむものといえます。このような里神楽は、神社の境内に舞殿をしつらえ、神への祈りや感謝を込めて奉納されるのが普通で、娯楽の少なかった時代には、全村あげて楽しむ大きな年中行事のひとつでした。舞の合間には「吹き火」などの花火のわざを競いながら、燃え上がるかがり火のもと、夜通し舞い明かすのが常でした。観覧する人々も、それぞれごちそうや酒肴を持ち寄り、夜を徹して楽しんだと言います。

「湯来町の文化財めぐり」湯来町教育委員会編より一部加筆、文体変更。 
「広島市の文化財」広島市教育委員会編より抜粋。
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