県天然記念物
馬木八幡神社の社叢(うまきはちまんじんじゃのしゃそう)
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名称 馬木八幡神社の社叢
(うまきはちまんじんじゃのしゃそう)
指定年月日 昭和53年1月31日
概要 主要樹木の胸高幹囲 
シイ・1.96m 1.91m 1.68m
コナラ・1.32m 1.30m 他
所在地 東区馬木五丁目1370ほか 馬木八幡神社境内

 馬木八幡神社は、二ヶ城山と呉婆々宇山に挟まれた谷あいにあり、『安芸町誌』によると、天正5年(1587)に建立されたということです。
 小高い境内を覆う社叢は、外から見るとこんもり丸く盛り上がった感じに見えます。全体的にシイが中心の林ですが、その中にいろんな種類の木が混じっており、この地方の自然林の原形をよく保っていると言われます。たとえば高木層にはアベマキ、コナラの落葉樹やツガ、シイモチ、アラカシなど、そして低木層にはヤブツバキ、ネズミモチ、リンボクなどが見られ、さらにその下にはジュズネノキ、シロダモ、ベニシダなどが地面を覆っています。
 ところで社叢の南西側の斜面にはかなり多くのシイモチが見られますが、これは大変珍しいものだと言われています。シイモチは、中国地方西部から九州にかけて分布するモチノキ科の常緑高木で、山口県内の島々や沿岸部でよく見られます。しかし広島県内では、山口県に近い大竹市近辺に見られる程度で、このような内陸部に生えている例はほとんどないそうです。
 これらの植物群から成るこの社叢は、かつての自然林の姿を伝えるとともに、植物分布の面からも、大変貴重な存在と言えそうです。


「広島市の文化財」広島市教育委員会編より。
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