市指定重要無形文化財
養山八幡の吹囃子行事(ようざんはちまんのふきばやしぎょうじ)
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名称 養山八幡の吹囃子行事
(ようざんはちまんのふきばやしぎょうじ)
指定年月日 平成9年10月3日
所在地 安佐北区安佐町小河内 養山八幡の吹囃子行事保存会

 11月の第1日曜日に養山八幡神社の秋祭りが行われます。養山八幡の吹囃子は、このときに行われる祭礼行事です。

 その起源は、「御神輿寄進、文化八年九月二十七日村内氏子中にて
広島の塩屋町大工新右衛門と申す者より、代金銀一貫五十匁にて買い求め、その三つの神輿は村内氏子中、小浜まで出迎え、備中太鼓を囃し、その他通り物数々ありて、見物人、近郷より集まるもの数万人なりという。之が毎年例祭の祭礼の元始にて……」と「養山八幡神社御由緒」に記録されているように、広島で買い求めた神輿を村人が備中太鼓に囃子で盛大に養山八幡神社に迎えたのが起こりだと言われています。

 小河内地区には、上組・中組・下組の3組があり、毎年交代で行事を担当しています。行事の1カ月前から囃子・棒振りの練習を当番組全体(大うけ)で行います。そして行事の前日には「かさぞろえ」と呼ばれる予行練習を行います。

 当日、小河内集会所前を出発した屋台舟(八幡丸)・世話人・棒振り・傘台から構成された行列は、笛、鉦、太鼓に合わせて「道中囃子」を囃しながら神社下へ到着します。屋台舟は、参道下に待機し、他の行列は参道を上がり境内に整列します。ここで「宮太鼓」・「神楽囃子」を囃します。

 行列を構成する人たちは、拝殿で神事に参加したのち元の位置に整列し「宮太鼓」・「神楽囃子」を囃します。 行列に、鼻高・獅子・鳥毛・神職・神輿が加わり、鼻高・獅子・鳥毛・世話人・棒振り・傘台・神職・神輿の順に社殿を左回りに一周して順次参道を下り、「参道下り」を囃す。下ったところで待機していた屋台舟が獅子と鳥毛の間に入り行列に加わります。

  行列は、参道下から馬場に入り「備中囃子」を囃します。馬場と新しい道と交わる所から新しい道へ向かい、途中から「参道帰り」を囃しながら参道下へもどります。ここで屋台舟と別れ行列は参道を上り社殿を右回りに一周し拝殿前に整列します。最後に「宮太鼓」を囃して終了します。

 かつては、馬場の存在が示すように流鏑馬も行われていましたが、現在は行われなくなり流鏑馬の的だけを馬場にそって立てています。 行事は文化8年(1811)以来、一度も中断されることなく続けられてきました。

「広島市の無形の伝統文化財」広島市教育委員会編より一部加筆、文体変更。
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