塔之原遺跡発掘調査日誌

 塔之原遺跡は広島市安芸区上瀬野町に所在しています。この遺跡は広島湾に注ぐ瀬野川に熊野川が合流する地点を見下ろす台地上にあり、かつて交通の要衝であった付近の平野部を一望することができます。 2003年から2004年にかけて(財)広島県教育事業団事務局埋蔵文化財調査室による発掘調査が行われ、弥生時代の住居跡などが確認されています。
 今回の調査は、国道2号線(安芸バイパス)の建設に伴うもので、以前の調査区の北側に隣接した箇所が調査場所です。はたして、どのような遺構が確認されるのでしょうか。

2014年10月23日 「調査終了!」

      

9月10日に近世・中世の遺構群の空撮終了後、1ヶ月ちょっとで、弥生時代終わり~古墳時代初め頃のムラの跡を掘りあげました。


確認したのは竪穴住居が5軒です。大半が、2本の柱で屋根を支える構造で、広島市域では珍しいタイプです。


10月21日に行った現地説明会(青空ミュージアム)には、平日にもかかわらず、地域の方をはじめたくさんの見学者がいらっしゃって下さいました。
(青空ミュージアム資料はこちら)


最後に調査メンバー全員で記念撮影です。大きな怪我も無く、全員で最後の日を迎えられました。最初の集合写真と比べると、みんないい笑顔です。お疲れ様でした。

2014年10月7日 「現地説明会を開催します」
 調査は弥生時代後期から古墳時代初頭のムラの跡の検出にはいり、竪穴住居の検出ラッシュ中です。調査は大詰めを向かえ、現地説明会を開催することになりました。開催日は10月21日(火)13:30からおこないます。
 詳しくはチラシを参照してください。
(説明会チラシ)


調査中の火事にあった竪穴住居跡。焼けて炭になった材木が残っています。


今にも崩れ落ちそうな炭になった材木を、壊さないよう竹串とハケで少しづつ検出します。炭とはいっても数ミリのペラペラのものもあり、作業員さんの緊張とストレスはMAX状態です。

2014年9月10日 「謎の飛行物体来襲!?」

      

更新に間が空きましたが、調査は着々と進んでいます。特に注目なのがこの石垣。どうやら中世~近世に営まれたお寺に関係するもののようです。


そんな9月の午後の風景です。
作業員さんが全員空を見上げています。
その視線の先を見ると・・・


謎の飛行物体がっ!?


実は遺跡の全景を写す航空写真撮影用のラジコンヘリコプターなのです。プロペラ8枚で比較的大型の一眼レフカメラを積める力持ちです。

2014年7月7日 「七夕なのに台風来襲!?」


台風8号の影響か、昨夜から降り始めた雨は、朝になってますます激しくなりました。台風対策をとるため現場に行くと、ものすごい水です。


台風でテントが飛ばされないよう男性職員総出でたたみます。作業途中ものすごい雨と雷。実は全員ビビッてます。



作業終了後の職員の後姿。作業服のままプールに飛び込んだよう。もうベッチャベチャです。
長靴の中にも服をつたって雨が入りこみ、帰る頃にはぐっぽんぐっぽんいってました。新品だっただったんですけどね。

いやー、すごい七夕の日でした。

2014年7月1日 「本日の最高気温Σ(・口・)」



休憩用テントの中で、35℃突破。これじゃあ休憩になりません・゚・(ノД`;)・゚・

2014年6月27日 「小さなお客様」


調査が始まってから3週間がたちました。少しずつですが、遺構が見つかり始めています。


色の濃い部分が遺構と思われる掘り込みです。作られた時期や性格はこれから詳しく調べます。


ところで、お昼を食べてまったりしてると、突然カエルの鳴き声が!びっくりするほど大きい声だったので、さぞやビックかと思いきや・・・
おりましたよ、シートを支える竹ざおの先端に。


親指の爪ぐらいのかわいいお客様が。
今週はずっと晴れでしたが、そろそろ梅雨本番でしょうか?

2014年6月19日 「本日”は”晴天なり」


2日ぶりの晴天です。まずはトレンチに溜まった雨水をくみ出しからスタート。


シートを片付けたら調査再開。イヤー暑い!


掘りあがったトレンチの断面をパチリ。細かく記録をとります。

2014年6月9日 「発掘調査開始!」


いよいよ今日から調査開始。すでに入梅した中国地方ですが、いい天気です。


まずはテントの設営から。これ無しでは生きていけません。


今回の調査メンバー全員で記念撮影。怪我や事故がありませんように。

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