■弥生土器の技術とデザイン
土器を観察すると、調整(ちょうせい)と呼ばれる作業の跡や模様(もよう)を見ることができます。調整とは粘土を土器の形に作り上げた後に行われる仕上げの工程です。弥生人はこの時、木や皮や金属などの工具を使って、粘土を削って薄くしたり、表面をなでたり磨いたりしています。
模様は、箆(へら)、櫛(くし)の刃の様な工具、竹の管、貝殻等を用いてつけられました。弥生土器の模様の多くは、すでに縄文土器で使われていたものですが、縄文土器と比べるととてもすっきりしており、リズミカルに見えます。一般的に弥生時代前期には一本一本線を描く箆描文(へらがきもん)が主流で、中期になると一度に何本もの線を描く櫛描文(くしがきもん)が施されるようになり、やがて後期になると模様が少なくなり、より簡素なものへと変わったようです。
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