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■古墳時代のくらし(1)

 古墳時代になると、大陸の進んだ土木・治水技術が伝わったことと鉄製品が普及したことにより、大規模な土木工事と未開地の耕地化が可能になりました。水田開発が進んだことで、人々の生活基盤は平野部へと移りました。このため、弥生時代に丘陵上に造られていたムラは、古墳時代になるとその縁辺の平野部に造られるようになります。現在、こうした平野部の多くはすでに宅地化されており、発掘調査の機会が少ないため、広島市内では古墳時代のムラはあまり確認されていません。
  人々の住む家はこれまでと大きくは変わらなかったようで、弥生時代と変わらず竪穴住居に住んでいました。しかし、その家の中では『台所革命』ともいえる大きな変化がありました。これまでは住居の中央付近を掘りくぼめた「炉」で煮炊きなどをしていましたが、古墳時代中頃には移動式の「かまど形土器」・壁に造り付けた「かまど」や蒸し器である甑(こしき)など大陸から伝わった新たな道具が加わり、現在の私たちの生活につながる新しい生活様式が形成されていきました。

かまどのある住居跡(佐伯区利松 和田1号遺跡

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