■解説 〜 配られた鏡「三角縁神獣鏡」〜

 中小田第1号古墳で見つかった三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)とは、縁の断面が三角形で、裏面に神や獣の像の模様を鋳出した青銅製の鏡です。
  三角縁神獣鏡は、前期の古墳の副葬品として見つかる例が多く、中でも京都府椿井大塚山古墳(つばいおおつかやまこふん)や奈良県黒塚古墳(くろつかこふん)で大量に出土したことが知られています。この鏡には同じ鋳型(いがた)から作られた、いわば「兄弟」の鏡(同笵鏡)があり、この兄弟の鏡の分布を調べると、その中心に畿内があることがわかっています。このことから、三角縁神獣鏡は各地方の首長に連合政権に参加したあかしとして配られた品だと考えられています。中小田第1号古墳で出土した三角縁神獣鏡も、椿井大塚山古墳のM7・M8号鏡や黒塚古墳の4号鏡などと「兄弟」鏡であることがわかっています。

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