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■城ノ下(じょうのした)第1号古墳(佐伯区口和田)

 城ノ下第1号古墳は、石内川の南西方向にのびる標高81.5mの丘陵上に位置する長径21m、短径14mの楕円形の古墳です。眼下には石内川、八幡川流域の平野部はもとより、遠く広島湾をも見ることができます。埋葬施設は素掘りの墓穴に長さ280㎝程度の木棺を据えたものと推定され、床面には多量の赤色顔料がみられました。棺の内外からは横矧板鋲留短甲(よこはぎいたびょうどめたんこう)・鉾(ほこ)・剣・刀3点・鏃83点など様々な鉄製武器類をはじめ、刀子(とうす)3点・斧2点・やりがんな・鎌などの鉄製農工具が出土しています。また、玉類・金銅製の髪飾りなどの装飾品も出土しており、特に金銅製の髪飾りは日本では他に類例をみないものです。なお、城ノ下古墳群出土品は、平成16年に広島市の有形文化財に指定されています。

・城ノ下第1号古墳主体部

・城ノ下第1号古墳墳丘

 

■出土品

●横矧板鋲留短甲(よこはぎいたびょうどめたんこう)

 

●鉄刀・鉄剣

 

●鉄鉾(てつほこ)
 袋部に長柄の先端をさしこみ、突き刺す用途で使用する武器です。

 

●鉄鏃

 

●鉄製農工具
 刀子を除き全てがミニチュア製品ですが、どれも木質が付着しており、実用品と同様に柄が付けられていたと推定されます。

 

■金銅製髪飾り
 城ノ下第1号古墳からは国内では他に例のない金銅(銅に金メッキを施したもの)製の髪飾りが出土しています。この髪飾りは、コイル状の飾り金具をつけたもので、この金具を持つものは日本ではほとんど出土せず朝鮮半島で見られることから、朝鮮半島から日本に伝わってきたものと考えられます。

 

●髪飾り使用例イラスト

 

●管玉(くだたま)・ガラス小玉

 

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