■解説 〜安芸国(あきのくに)のまとまり〜

 5世紀になると、西条盆地(東広島市)に巨大な前方後円墳である三ツ城(みつじょう)第1号古墳が造られます。この古墳は古墳時代を通して広島県内で最大の大きさを誇っています。
  同じ頃、ひろしまでも前期古墳が造られた地域では中期になると古墳が大型化し、短甲(たんこう)や鉄刀・鉄鏃(てつぞく)などの豊富な鉄製武器類や、朝鮮半島からの新しい技術で焼かれた須恵器(すえき)という焼き物など、豊富な副葬品を持つ古墳が多く造られるようになります。ひろしまの勢力は、これらの古墳に葬られた有力者を中心に次第に結びつきを強め、強い力を持つようになっていったものと考えられます。
 三ツ城第1号古墳の被葬者は、ひろしまを含めた安芸の各地域の有力者たちをたばねる人物であり、彼を中心に政治的にまとまり、後の「安芸国(あきのくに)」の発展の基礎となったと考えられています。

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