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■コラム 古墳時代のくらし(2)

 日本人にとても馴染み深い家畜である牛馬は、古墳時代に大陸から伝わったものです。
 馬は『日本書記』の「応神紀」に渡来人がもたらしたとする記事があり、古墳に副葬された馬具や馬形埴輪などから、古墳時代中期(5世紀中頃)以降にその飼育技術と使用が広まったと考えられています。権力者たちは自らの乗馬を様々な馬具で飾って威信を示しました。各地の古墳時代の遺跡からは、牛馬にひかせた「馬鍬」が出土しており、当時から農耕馬としても活躍したことが分かります。一方、牛が登場するのは馬よりやや遅く、5世紀後半以降のことといわれています。
 それまでの人力を越える牛馬の力は、農耕や輸送に大きく寄与し、その後の人々のくらしになくてはならない支えとなって行きました。

 

●轡(くつわ)(和田古墳出土品(佐伯区利松))
 轡とは、馬の口にはめ込む馬具です。形から、6世紀末〜7世紀初頭と考えられます。

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