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■古代寺院の姿(寺町廃寺跡模型)

 国史跡寺町廃寺跡は三次市にある寺院跡です。発掘調査によって金堂と塔が東西に並ぶ法起寺式の伽藍配置の寺院で、出土品から7世紀後半(白鳳時代)に造られたことが明らかになりました。平安時代初期の仏教の説話集である『日本霊異記』に登場する三谷寺と考えられています。安芸国の各郡各所にもこのような寺院が造られていたのでしょう。

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写真提供:広島県立歴史博物館 ※転載禁止

 

■出土品(古代寺院の瓦)

●軒丸瓦 伝光見寺跡 (安佐南区山本)(立専寺蔵)

 光見寺跡は安佐南区山本の武田山のふもと、祇園地域一帯を見渡せる場所にあったと考えられています。ここで発見された瓦から、寺の創建は7世紀中葉頃と考えられます。花弁に子葉がないもの(素弁蓮華文軒丸瓦)と、複数の子葉を重ねた形(複弁蓮華文軒丸瓦)があります。

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●軒丸瓦 道隆寺跡 (安芸郡府中町)(府中町教育委員会蔵)

 道隆寺跡は安芸郡府中町にあり、古代山陽道推定路を見渡す緩斜面に位置する寺院です。平安時代初めの大同元年(806)に空海が開いたと伝わっていますが、周辺から見つかった素弁及び複弁の蓮華文軒丸瓦はより古い特徴を持つことから、すでに7世紀中葉にはこの近辺に仏教寺院が建立されていたことがうかがえます。

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