×閉じる

■下岡田遺跡 (安芸郡府中町)

 下岡田遺跡は、安芸郡府中町の丘陵の先端部に位置しています。当時は西側のすぐ近くまで海が迫っていたと考えられています。発掘調査の結果、礎石や根石のある瓦ぶきの建物を中心に掘立柱の建物や井戸の跡などが確認され、重圏文軒丸瓦や重郭文軒平瓦などの瓦類、多数の須恵器・土師器・緑釉陶器・硯・木簡・斎串・古銭などが出土しています。遺跡は奈良時代から平安時代初期の地方の官衙跡と考えられており、特に付近に「早馬立(はゆま)」の地名や『日本後紀』に「大道」(古代山陽道)の名が残っていることから、安芸駅家とする考え方が有力です。

保存・転載禁止

 提供:広島大学考古学研究室 ※転載禁止

 

■出土品

●木簡(レプリカ)(府中町教育委員会蔵)

 右側の木簡には、高田郡から税(庸)として納められた絹製品「絁」(あしぎぬ)、左側の木簡には、俵詰めにした「久良下(くらげ)六俵」という文字が入っています。2つとも安芸国の特産物として発送するための荷札に使われたものです。

保存・転載禁止

 府中町教育委員会所蔵 ※転載禁止

×閉じる