×閉じる

■下沖2号遺跡 (佐伯区石内)

 下沖2号遺跡は石内川東岸の標高約30mの沖積地上に位置します。遺跡からは奈良時代から平安時代にかけての掘立柱建物跡8棟・多数の土坑や、道路の側溝の可能性がある溝状遺構などが確認されました。畿内系土師器・緑釉陶器、硯、重圏文軒丸瓦など都や役所との関わりを示す様々な遺物が出土していることから、一般的な集落跡ではなく役人たちが暮らした官衙的な性格をもった遺跡と考えられます。

 

●下沖2号遺跡全景

 

■出土品

●須恵器壺

●須恵器長頸壺

 このタイプの長頸壺は、当時の地方行政機関である大宰府での出土例の他、九州肥後地域を中心に分布しています。

●畿内系土師器

 土器の内面には暗文という淡い文様があります。銅製の鋺の光沢をまねて作ったものと考えられています。7世紀初頭頃から都で使われる土器として出現し、都の官人とのつながりを示すものと考えられています

 

●円面硯

●円面硯復元図(イラスト)

 足のついた丸い硯部をもつ円面硯(えんめんけん)という硯の一部分です。円面硯は飛鳥時代から平安時代にかけて用いられました。その多くは役所跡や寺院跡で見つかっています。

 

●緑釉陶器

 緑色の釉薬が施された陶器です。畿内を中心に広がった高級品で、一般の集落から出土する例は少なく、古代の役所などで用いられていたと考えられています。

 

●重圏文軒丸瓦

×閉じる