■解説 〜律令制の崩壊〜

 9世紀後半になると律令制が行き詰まります。朝廷は行政改革を行い、税収確保のため、これまでの郡司の権限をとりあげ、国司のものとします。郡司の権限の縮小により、郡衙は消滅していきます。一方、地方の豪族たちは、新たに土地を開いて自分の領地として力をつけていきます。さらに豪族たちは、朝廷からの重い税負担を逃れるため、自分の領地を貴族や寺院の私有地(後の荘園)として寄進し、自身はその管理者(荘園領主)になる道を選びます。やがて公地公民を基礎とする律令制は終焉を迎えます。

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