■解説 〜行きかう人とモノ〜

 平安時代以降、荘園領主のもとへの年貢を輸送するため、畿内と地方を結ぶ海上交通路や、地域間を相互に結ぶ海・河・陸の交通網が整備されます。また、各地の主要河川の河口付近など、特に海運との便の良い場所には、年貢物を保管・収納し、船に積み出すための施設=倉敷地が作られました。
 また、物資の輸送が楽で人が集まりやすい場所には、古代から市(市場)が立てられていました。当初は不定期だった市は、鎌倉時代には定期的に開かれるようになり、以後常設化します。市では、地域内のもののほか、他地域の特産品や遠く中国からもたらされた物品も扱われることもありました。

×閉じる