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■山城の機能と構造

 山城は、鎌倉~戦国時代にかけて山や丘の上に築かれた城郭のことで、戦時の防御を意識しながら地形をたくみに利用してつくられました。

●曲輪(くるわ)
山城を構成する基本的な単位で、削平や盛土によって造られた平坦面のことを指します。

●主郭(しゅかく)
山城の中心になった曲輪のことです。

●切岸(きりぎし)
山城の防御施設である人工の急斜面のことを指します。曲輪の周囲にめぐらされました。

●土橋(どばし)
堀などを通行するために造られた土の橋のことです。

●堀切(ほりきり)
尾根筋を切断した堀のことです。堀の断面の形状がV字状のものを薬研堀(やげんぼり)、堀底が平らで断面の形状が箱形に近いものを箱堀(はこぼり)といいます。

●竪堀(たてぼり)
等高線に直交する形で斜面に掘った堀のことです。斜面を登って進入する敵が横方向へ 移動するのを妨げます。

●畝状竪堀群(うねじょうたてぼりぐん)
竪堀とそれに沿う土塁を交互にそれぞれ複数並べたものを指します。

●横堀(よこぼり)
山城で曲輪の周囲をとりまくようにめぐらした堀のことです。

●土塁(どるい)
曲輪の周縁部や出入口の周囲に設けた、防御のための土手のことを指します。

●虎口(こぐち)
城館の出入口のことです。

※引用:千田嘉博ほか『城館調査ハンドブック』新人物往来社(株式会社KADOKAWA)、1993年、157頁挿図を一部改訂

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