■解説 〜広島湾頭をめぐる争い〜

 群雄割拠、下剋上などという言葉でイメージされる戦国時代、日本各地で武士たちが自らの力で領国をつくり独自の支配を行う戦国大名が誕生しました。安芸国では16世紀前半ごろまで、西の大内氏と山陰の尼子氏、さらには在来の武田氏の大勢力がせめぎあい、その中で在地の国人領主が消長を重ねていました。安芸国内の国人領主たちは大内氏側と武田氏側にわかれて争い、広島湾頭は戦乱の渦へと巻き込まれていきます。吉田郡山城(安芸高田市吉田町)を本拠としていた毛利氏もその中の一国人領主だったのですが、元就(もとなり)の代になって安芸国屈指の国人領主に成長していきます。
 安芸の国人領主たちは互いに盟約を結ぶなどして戦乱の時代を乗り切ろうとしました。

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