■コラム 〜毛利氏と村上海賊

 戦国時代、瀬戸内海には多くの海上勢力がありました。その中で有名なものが村上海賊です。村上海賊は備後国因島(いんのしま)を本拠とする因島村上氏、伊予国能島(のしま)を本拠とする能島村上氏、そして同国来島(くるしま)を本拠とする来島村上氏という3つの一族からなっています。彼らは航海の安全を保障する水先案内人としての生業を主とし、瀬戸内海を広域にわたって支配していました。戦国時代に入るとその技術を活かし、戦国大名と軍事・政治で大きな関わりを持ち、戦国の世における瀬戸内海地域になくてはならない存在となっていったのです。 彼らは常に活動を共にするのではなく、それぞれの家が独自に活動し、さらにどの大名を味方にするのかも違っていました。このように、村上海賊は戦国大名などの陸の大名とは異なる「海の大名」として独立し、それぞれが自分たちの思惑を巡らしながら活動をしていたのです。

 ※「村上海賊」という名称に関しては2016年に日本遺産に認定された名称にならい表記しています。

●大島からみた能島

大島からみた能島

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