■解説 〜はじめにー広島城を探る〜

 毛利輝元によって広島城とその城下町の建設が始められたのは、天正17年(1589)といわれています。その後、城郭は福島時代までに形が整えられ、城下町は浅野時代を通して干拓が繰り返され、南に広がっていきました。街づくりの中核となった広島城は、内堀・中堀・外堀の三つの堀で囲まれた約1km四方の巨大な城郭でした。
 しかし、今では中堀や外堀は埋め立てられ、櫓(やぐら)や土塁(どるい)は取り払われ、中心部分の本丸、二の丸とそれを取り囲む内堀を残すのみとなってしまいました。現在、ビルが立ち並ぶ大都会に変貌を遂げた広島ですが、街中には江戸時代の広島をしのばせる様々なものが残されているのです。

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