■解説 〜掘り出された広島城〜

 広島城関連遺跡の発掘調査は、広島県教育委員会が昭和54年(1979)に行った本川東側護岸の外郭櫓台跡調査に始まります。広島城跡の本格的な調査としては、昭和62・63年に実施された二の丸跡整備のための発掘調査が最初になります。その後、平成2年(1990)から始まった新交通システム整備に伴う発掘調査で外堀跡が、中央駐車場建設に伴う発掘調査で中堀跡の存在がそれぞれ確認され、道路の下を中心に堀跡の調査が行われるようになりました。また、基町高校グラウンド地点(平成9年)や太田川河川事務所地点(平成15年)の調査により、官庁街を中心に武家屋敷跡が地下に残っていることが分かり、外堀に囲まれた範囲の中で広島城の発掘調査が盛んに行われるようになりました。現在、広島城の城郭としての全体の姿や、城内にあった武家屋敷での人々の生活の様子が徐々に分かるようになってきました。

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