■解説 〜武士の暮らし〜

 江戸時代、多くの武士は城に勤務し、藩主から割り当てられた屋敷に住んでいました。広島藩では、城郭を取り囲むように武家屋敷が設けられ、武士の身分に応じて、住む場所や屋敷の広さが決められていました。また、日ごろから社会の模範となるふるまいが求められ、ぜいたくの禁止、心身を鍛え戦いに備えることなど、細かく規定されていました。
  また、武士には、藩主から土地(知行地)を与えられ、そこで得られる年貢を収入とする知行取(ちぎょうと)りと、土地を持たず米や藩札などで給料を得る切米取(きりまいと)りがいました。知行取りの場合、年貢全てが収入になるわけではなく、藩に収める米などもあり、実際の手取りは3〜4割程度となります。ここから使用人への給料や食費、交際費などを支出しなければなりませんでした。

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