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■日渉園跡(にっしょうえんあと)
 広島市指定史跡

 日渉園は寛政・享和年間(1800前後)、広島藩医の後藤松眠が沼田郡新庄村(現西区三滝本町)に開園した藩営の薬草園です。三滝山の日当たりの良い山腹に位置し、園の中心には住居と庭園、その周囲に薬草地が広がり、藩主や家老、当時の文化人等がたびたびこの地を訪ねていました。
 薬草地は西側が約7,300㎡の乾燥地帯、東側が約1,500㎡の湿潤地帯で、それぞれの場所に適した植物を栽培していました。明治4年(1871)に廃園となり、現在は庭園の一部のみが残され、薬草地だった周辺は畑地や宅地になっています。
 後藤松眠の子、松軒と蘭学者高野長英の間には親交があり、蛮社の獄で投獄後に脱獄した長英を、園内の「神農堂」に一時かくまったというエピソードが残っています。

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