×閉じる

■国郡志御用ニ付郡辻書出帳 (佐伯郡)(広島県立文書館蔵)
 冊子装 文政9年(1826)2月

 この資料は、広島藩の地誌『芸藩通志』を編纂するために作成されたものの一つで、佐伯郡内(現広島市佐伯区、大竹市、廿日市市、江田島市)各村の「国郡志御編集ニ付下しらべ書出帳」をまとめたものです。この絵は、佐伯郡の特産品である紙の生産工程を示しています。
 広島藩で紙は、佐伯郡、山県郡(現安芸太田町、北広島町)を中心とする西部地域、三上郡(現比婆郡)を中心とする東北部で生産されていました。特に佐伯郡、山県郡では藩内の生産額のおよそ8割を占め、生産された紙は藩内のみならず、大坂へも送られていました。
 広島藩は正保3年(1646)から統制をはじめ、宝永3年(1706)に「紙座」を設け専売制を確立させました。元禄16年(1703)には藩営の紙すき場も設けられ、藩札の発行や藩の公用紙の生産も行われていました。

保存・転載禁止 国郡志御用ニ付郡辻書出帳

 ※転載禁止

×閉じる