■解説 〜産業〜

 17世紀後半、陸上交通や水運が整備され、物資流通が全国的に大きな発展を遂げ、各藩内で生産された商品が藩内市場から江戸、大坂などの都市部へと流通するようになっていきました。
 広島藩でも西国街道や出雲・石見街道といった主要交通路が整えられたほか、海路では西廻り航路の開設によって流通の体系が大きく変化し、倉橋島の鹿老渡(かろうと)や大崎下島の御手洗(みたらい)のような、新しい港町が整備されていきます。また、太田川水系を利用した舟運は、藩内市場の中核をなす城下町と領内(芸北地域)とを結ぶ物資輸送の大動脈となり、商品流通が活発化し、藩内の各地に特産地帯が形成されていきました。

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