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■広島藩の産業分布図
 (文政8年(1825))(『広島県史 近世2』)

 広島藩では、瀬戸内沿岸地域と山間地域とで特産品が大きく異なっていました。沿岸地帯では、新開地を中心に木綿栽培や綿布製織業や、製塩、牡蠣(かき)・海苔(のり)などの産業が、内陸部では、製鉄、製紙、麻苧(あさお)生産、板・木材などが主な特産品でした。
 この違いは、沿岸部と山間部とで気候に大きな違いがあるため、それぞれの地域の自然地理的条件に適した商品を生産・発展させていったものと考えられます。

広島藩の産業分布図(文政8年(1825))

※1 たたら 砂鉄と木炭を使用した鉄の生産方法。
※2 大鍛治 生産した鉄を製品として加工すること。
※3 鉄穴 鉄穴流しのこと。砂鉄を含む山を削り、水路に土砂を流すことで軽い土が流され、重い砂鉄を沈殿させることで採取する。
※4 麻苧 大麻やカラムシなどの茎の繊維からつくった糸のこと。 
※5 扱苧 大麻やカラムシなどの茎を煮たり蒸したりして皮をはぎ取り、さらに灰汁(木の灰を水に漬けて作った汁)と煮るなどして繊維だけの状態にすること。
※6 戸扉 とびらのこと。
※7 塩薦・塩田用縄苞 生産した塩を輸送するための材料。
※8 塩木 塩釜で海水を煮詰める燃料にする薪のこと。

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