■解説 〜はじめに〜

 江戸幕府は王政復古の大号令により廃止され、幕藩体制は崩壊、誕生した明治新政府は中央集権国家をめざします。廃藩置県により、広島藩(芸州藩)は広島県となりました。明治22年(1889)、市制が施行され広島市が生まれ、宇品港が完成します。
 明治27年(1894)の日清戦争では、広島城内に大本営が置かれ、帝国議会(国会)が東京から離れて、広島市で開会され、広島は臨時の首都の様相を呈します。明治35年(1902)、広島高等師範学校が設置され、広島は中国地方の政治・経済・文教を代表する都市として大きく発展します。
 また、広島城内には陸軍の第五師団司令部が置かれ、市内には兵器支廠(ししょう)・被服支廠・糧秣(りょうまつ)支廠などの軍事施設も作られ、広島は軍都としての色合いも強くなります。
 そして昭和20年(1945)8月6日広島市に原子爆弾が投下され、一瞬にして廃墟と化し、多くの人命が奪われました。

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