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■薩長芸三藩盟約草稿(写)(京都大学附属図書館蔵)
 紙本墨書 慶応3年(1867)

 慶応3年9月に薩摩・長州・芸州の3藩が武力倒幕のために結んだ盟約で、京都において、薩摩の大久保利通・西郷隆盛・品川彌次郎と長州の広沢真臣、芸州の辻将曹(そうしょう)によって結ばれたもの。日付は9月8日になっていますが、実際に盟約を結んだ日は9月20日です。この草稿は大久保利通の自筆。
 内容は、薩摩・長州・芸州の3藩の兵を船で送り、京都の朝廷に倒幕を働きかけることや、朝廷による国家建設に必死に尽力すること。さらに3藩の決議が決まった後は異論などを唱えないことなどが簡潔に書かれています。

  要目
一、三藩軍兵大坂着船之一左右次第
  朝廷向断然之御尽力兼て奉願置候事
一、不容易御大事之時節ニ付為 朝廷拠国家必死尽力可仕事
一、三藩決義確定之上ハ如何之異論被聞食候共御疑惑被下間鋪事

  九月八日            三藩
                  連名

 こうした盟約を結んだ広島藩ですが、一方で土佐藩の公儀政体論にも共鳴し、10月3日、土佐藩が徳川慶喜に大政奉還を勧告すると、続く6日には広島藩も勧告します。こうした動きは薩摩と長州に日和見的であると思われ、結果として明治新政府に広島藩の人材が多く登用されることはありませんでした。

薩長芸三藩盟約草稿

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