広島大学 県立広島大学 ㈶広島市文化財団文化財課 連携事業『広島の文化財講座
三浦教授と行く 広島歴史探訪バスツアー
「安芸の仏教建築めぐり」       開催しました


                                                               

2月27日(土)、幸い前日の雨も収まりどこか春を感じさせる暖かさとなったこの日、今年度第2回目の広島歴史探訪バスツアーを開催しました。市内の寺院に残された、文化財としても貴重な仏教建築の特徴や秘められた見どころを、広島大学大学院・三浦正幸教授を「時の案内人」に迎え、じっくりと見学しました。その重厚さや華麗さの中に、どんないにしえ人の知恵と技が込められているのでしょうか?
市内唯一の国宝、不動院(東区)の金堂。堂々たる外観だけでも見応え十分ですが、その構造やそれぞれの部材に思わぬ発見が!さらに、この建物の大きな見どころは、広々とした内部空間に射し込む光がつくり出す天井や梁などのコントラストの荘重な美しさとのこと。参加者も感心して仰ぎ見ていました。 金堂に続いて、重要文化財の鐘楼や楼門を見学。鐘楼では特別に袴腰と呼ばれる雨よけが付けられた一階部分の内部にも入りました。建造中の作業風景まで彷彿とさせる三浦教授の詳細な解説に、不動院での1時間半の見学時間が、あっという間に感じられました。
↑重要文化財の國前寺(東区)の本堂と庫裏は、ともに原爆にも耐えた、江戸時代(17世紀後半)の建物です。漆喰の白も美しいこれらの建物には、建造時の出来事が刻まれていました。ちょうど出された幕府の建物に関するお触れを守るためプラン変更、現在の姿になったのだそうです。まさに、当時の歴史の証人だったのです。
←朱も鮮やかな三瀧寺(西区)の多宝塔。県の重要文化財です。もとは和歌山県で戦国時代(16世紀前半)に建てられました。均整とれたその姿からは意外ですが、長い年月の間に創建時とは違う形となったところも。文化財が多くの人の手を経て守り伝えられてきた証です。