変化朝顔とは朝顔が突然変異し、とても朝顔とは思えないような奇抜なものに変化した朝顔のことです。こうした変化朝顔の栽培が江戸時代にブームとなりましたが、現在では絶種寸前で非常に貴重なものになっています。
 この度、広島市植物公園と文化財課では、江戸時代の園芸と変化朝顔の栽培について学ぶ「江戸の園芸講座と変化朝顔の栽培」を行っています。
このページでは事業の様子や、参加者の皆様が各自育てている変化朝顔の様子を報告していく予定です。

・7月31日(火)〜の記事へ

・5月26日(土)〜6月5日(火)の記事へ

・7月24日(火) 参加者からの現状報告
 参加者の荒谷さんの変化朝顔が開花したそうです。竹の支柱がおしゃれですね。そろそろツルも伸びてくる者もあると思いますが、変化朝顔は仕立て方というよりは変化を楽しむものです。皆さん自由な発想で仕立ててみてください。

こちらは荒谷家。糸柳葉細采咲牡丹(白)の兄弟株で、柳の遺伝子が入った柳葉撫子采咲です。支柱も竹で雰囲気が出ています。 こちらは荒谷家の地植え。つぼみが見えてきた株がふえてきて、毎朝楽しみだそうです。
こちらは文化財課。針金を瓶にまいて「螺旋仕立て」にしてみました。江戸時代の図譜を見ると竹の枝をさしてからませていたりしています。 文化財課の正木(中段左から4つ)です。左は「石化」の石化抜け、左から2つが「石化」、右二つが「木立」です。
こちらは柳葉撫子咲牡丹の親木候補です。高さは20cmもないです。 保育園のフェンス際に地植えしたのもさきました。花弁が1か所だけ切れて、丸まってさいています。

・7月18日(水) 気がつけば・・・咲いた!
 ここ数日雨が続きましたが、ようやく梅雨が明けました。と同時に文化財課の朝顔の花も咲きました。まだ、親木(種とり用)のみの開花ですが、よく見るといろんな株に小さなつぼみもついていました。

糸柳葉細采咲牡丹(白)の兄弟株で、「笹」の変異をもっていて切れ咲きです。 この株は牡丹咲ではないので、ちゃんと種がとれそうです。
渦小人(青)の親木。少し切れ咲きがでているかも。 次々とつぼみがついています。これからが楽しみです。
斑入りの正木の葉がバッタに食べられていました。 文化財課の朝顔たち。出物(下の2列)は成長は小さいです。狭いスペースでも楽しめる、江戸時代の町屋にぴったりなわけです。

・7月11日(水) 参加者からの現状報告
 参加者の荒谷さんが定植鉢に植え替えをされたそうです。全部で28鉢植えて、残ったものと正木は地植えにされています。

定植鉢に植え替えられた荒谷家の朝顔たち。(7/2撮影) 地植えの正木と残りの株。(7/2撮影)
こちらは文化財課の駐車場。お隣の保育園のフェンス沿いに植えさせてもらいました。園児たち、びっくりするでしょうか? こちらも文化財課。職員が作った弥生土器に植えてみました。

・6月23日(土) 第2回目講座&実習
 いよいよ第2回目の講座と実習がやってきました。午前中は歴史から見る園芸についてと変化朝顔について、午後は朝顔の選別についての実習を行いました。

午前中は園芸の歴史についての講座。園芸が盛んになった時代背景や、出土遺物から見る植木鉢のルーツ・転用品を紹介しました。 広島城跡の武家屋敷から出た出土遺物も紹介しました。上列は陶器の植木鉢、右下2点は磁器の植木鉢です。左下2点は「半胴甕」という甕の底の部分で、穴をあけて植木鉢として使っています。最初の頃は甕や火鉢などの底に穴をあけて植木鉢に利用していました。今でも桜草愛好家の間では「半土」という同じ形の植木鉢が重用されています。
右中は焼塩壺という塩を詰めて焼いて焼塩にした壺です。左上2点は焼塩壺の底を抜いて植木鉢にしたものです。左下は素焼きの植木鉢です。江戸時代後期に大量に流通するようになり、園芸が盛んになる一助となりました。 焼塩壺の底が穴が開いています。ある時期からの焼塩壺は底が抜きやすいような製法になっています。我々も何かの底を抜いて植木鉢にするとおしゃれでよいかも…
実際に手にとって確かめてもらいます。裏には墨で文字がかいてあるものも。 午後から栽培温室で朝顔の選別の実習です。普段は入ることのできない場所で、参加者の皆さんからは「こんなところがあったんだー」との声も。躊躇なく必要のない朝顔の苗を引き抜く井上さんに、「あー」というどよめきが!皆さん育てているので愛情がわいてしまっているのです。
来年に向けて交配の仕方も紹介。掛け合わせて新品種誕生なるか?とにかく熱心に質問し、メモをとる皆さま。まだまだ伝えたいことはあるのですが時間がなくてごめんなさいでした。 最後に前回とは違う種類の苗を受け取りました。今回お配りした苗は糸柳葉細切采咲牡丹(NiIto白)、管弁流星獅子咲牡丹(402)、黄蝉葉牡丹渦小人(837)です。皆さん展示会に出品するのを目標に頑張っています。参加者同士で「わしはこんな鉢に植えてみる」との話もあり、とても楽しそうでした。ちなみに私は小型の種類をマグカップか湯のみでしたててみようと計画しています。

・6月18日(月) 参加者の皆さまの様子

 参加者の皆さまから栽培の状況が続々ととどいています。福田さんからは参加協力者に向けて資料を作成しています(資料PDF332KB)。この輪が広がっていくことも間違いなしですね。

こちらは参加者の荒谷さんから。割り箸の先を丸く削り2cmのところに標をいれて植える時の深さが分かるようにしています。土は市販の種まき用の土を使ったとのこと。種は3時間水に浸したそうです。(5/27撮影) 3日後の様子。発芽が始まっています。(5/30撮影)
発芽したものから小鉢105mmと95mmポッドに移し替えたそうです。土は市販の元肥入り草花用土です。(5/31撮影) 変化咲きと思えるものを選ばれたそうです。糸柳や燕の出物があります。(6/9撮影)
ここからは福田家の朝顔たち。燕性の切咲牡丹の出物です。本葉もとても小さいです。(0615撮影) 左と同じ燕性の切咲牡丹の兄弟株です。とても同じ種類とは思えないくらい大きさが違います。(0615撮影)
福田家で1株しか発芽しなかった柳葉撫子咲牡丹。箱入り朝顔になること間違いなし!皆様にお配りしたものでNo.9は発芽率が悪かったようです。すいません。(0615撮影) こちらは安部家の様子。正木と柳葉撫子咲牡丹を植えられたそうです。撫子は12粒の内6株発芽したそうです。13Eでしょうか。(写真は撫子、0618撮影)

・6月15日(金) 定植鉢に植え替えました!

 文化財課の変化朝顔のビニールポッドを見ると根が大分張っていたので、定植鉢に植え替えることにしました。(6/25撮影)

糸柳葉細切采咲牡丹(NiIto紅)の糸柳の出物3兄弟。期待を込めて少し小さめの変わった鉢に。左は江戸の出土鉢っぽいものに。右端は半胴甕っぽいものに。 糸柳葉細切采咲牡丹(NiIto紅)の笹葉の出物。こちらは江戸の植木鉢っぽく。
糸柳葉細切采咲牡丹(NiIto紅)の出物。糸柳にしては少し太い?角盆使用です。 柳葉撫子咲牡丹の出物(13E)の出物。江戸の出土植木鉢っぽいものに植えました。
こちらは正木4兄弟です。 親株候補生たちはプラスチックの鉢へ。
あまった親株候補生は文化財課前の花壇に植えました。さて、緑のカーテンになるでしょうか?

・6月11日(月) 本葉がでました!

 文化財課の変化朝顔の本葉が出てきました。特徴ある形をしており、これからが楽しみです。
 今回も参加者の福田さんより、たくさんの写真とレポートを頂きました。福田さんのレポートにも描かれていますが、担当自宅で育てている314(燕)の出物の二葉が夜見るとナメクジに食べられていました。せっかく苦労して出た二葉、ナメクジ対策は必須です。(資料PDF:1.57mb)

文化財課のNiito24粒(糸柳牡丹咲)の糸柳の出物です。糸のような本葉が出ています。 こちらは13E(撫子采咲牡丹)の柳の出物です。本葉が細いです。
こちらは13E(撫子采咲牡丹)の親木(種とり用)です。二葉が斑点状に枯れており病気(斑紋病)の可能性もあります。広がるようなら消毒が必要とのこと。 こちらは福田家の朝顔たちです。(6/9撮影)
燕の出物の本葉が出ています。わかりますか?(6/9撮影) 画像上は普通の朝顔、下は変化朝顔のものだそうです。(6/9撮影)