広島大学 広島工業大学 (財)広島市未来都市創造財団文化財課 連携事業 広島の文化財講座
三浦教授と行く 広島歴史探訪フィールドワーク「芸南の神社建築―平清盛の記憶とともに」

 7月28日(土)、夏本番の青空の下、芸南地方の神社に残された貴重な文化財建築を巡るフィールドワークを実施しました。講師は今回紹介する建築の研究にも大きく貢献された広島大学大学院の三浦正幸教授。強い日差しと流れる汗をものともしない、講師の熱気あふれる解説と、これに聞き入る参加者の熱意に、とても充実した時間旅行となりました。三浦教授、参加者の皆さん、そして御協力下さった各社をはじめとする関係者の方々、お暑い中本当に有難うございました!!

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  • 多家神社

    まず最初に訪れたのは安芸郡府中町の多家神社。ここ府中は安芸国の国府があったとされるところ。安芸国守にも任じられた平清盛との関係も考えられます。多家神社は明治時代に広島城内の神社の建物を移して創建されました。

  • 多家神社宝蔵

    境内の南東側で重厚感ある佇まいを見せる県重文・宝蔵。唯一の創建当初の建物で、建立は江戸時代。広島城内にあった建物の遺構としても大変貴重です。神輿がある内部も特別に見学させていただきました。

  • 榊山神社本殿

    次に訪れたのは筆の産地でおなじみ安芸郡熊野町の榊山神社。その町重文・本殿は江戸時代の建築で、参加者も見上げるほど圧倒的スケールの大きさです。安土桃山時代、豊臣氏に仕えた大坂の大工の末裔の手になるもので、随所にその特色が見られ、その後の広島の神社建築に大きな影響を与えたとのことでした。

  • 榊山神社本殿内部

    平清盛とも関わりある武将、源頼政のヌエ退治を描く大きな絵馬が掲げられた拝殿を通り、榊山神社本殿の内部にも特別に入らせていただきました。普段見ることのできないところを見学し、参加者も大変喜ばれておられました。

  • 桂濱神社本殿

    呉市音戸で昼食後、県史跡・伝清盛塚で平清盛の伝承に触れてから、はるばる呉市倉橋町の桂濱神社へ。すぐ南に美しい桂浜の砂浜が広がる丘の上に、室町時代建立の国重文・本殿が残されています。立派でありながら室町時代らしい簡素な構造で、厳島神社の影響を受けた建物なのだそうです。

  • 桂濱神社拝殿

    江戸時代建立の桂濱神社拝殿も規模の大きな建物で、立派な絵馬が数多く掲げられています。ここでは全員に神社の方から冷たいお茶をいただきました。素晴らしい建築と暖かいおもてなしで、真夏のひと旅を締めくくることができました。