・この講座について
 変化朝顔とは、突然変異によって奇抜なものに変化した朝顔のことです。変化朝顔の栽培は江戸時代にブームとなりましたが、現在では絶種寸前で非常に貴重なものになっています。
 今年度、広島市植物公園と文化財課では、江戸時代の園芸と変化朝顔の栽培について学ぶ「江戸の園芸体験講座〜変化朝顔〜」を行っています。歴史と植物栽培、そして科学まで学べるイベントです。このページでは事業の様子や、参加者の皆様が各自育てている変化朝顔の様子を報告していく予定です。
 ⇒「市民と市政」5/15号、第1面で変化朝顔が紹介されました(リンク)。

・変化朝顔について
 変化朝顔は突然変異した遺伝子が組み合わさることで様々な変化が起こります。「正木」と「出物」の2つのタイプに分けることができます。「正木」とは種が採れるタイプのことで、次に植えたものも同じ変化が起こりますが、あまり激しい変化は起こりません。「出物」とは遺伝子の組み合わせによって、1/4、1/16…等の確率でおしべやめしべまで激しく変化し、種が採れない株が出現するタイプのことを呼びます。出物は種が採れないため、同じ親株の種から育った変化していない兄弟株を種採り用に育てます。

・正木の例(下の写真3枚は違う系統の朝顔です。)

 
 (正木)黄尾長立田葉紅切咲。立田葉とはモミジに似た葉の形なので、モミジの名所「竜(立)田川」ちなんで名づけられた。  (正木)青縮緬抱丸葉雀斑丸咲。花弁の模様や花色が不規則な変化がみられる。  (正木)青水晶入林風孔雀葉石化桃丸咲。石化とはツルの成長点が結合し、茎のようになったもの。

・出物の例(下の写真3枚はいずれも同じ系統の朝顔です。)

 (出物)黄飛龍葉紅覆輪総管弁流星獅子咲牡丹。様々な変化の遺伝子が組み合わさり激しく変化したもの。種が採れない。 (親牡丹)牡丹咲の変化だけがあらわれたもの。基本的に種が取れない。  (親木)種採り用の株。変化の遺伝子は持っているため、取れた種から変化する朝顔が出る。




栽培の記録

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平成26年の栽培記録へ

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生育状況や開花状況がたくさんのっています。

・11月23日(土) 第5回講座実施

いよいよ講座の最終回の「種子の交換会」が行われました。皆さんが持ち寄った種子を系統ごとに分けた後、各自希望する種子を 選んで持ち帰りました。
今回並んだ種子は約40種類。それぞれが育てた花の特徴なども話し合い、来年に向けて皆さんの夢はふくらむのでした。

始める前にもう一度「正木」と「出物」の違いについて説明。 変化の現れるしくみ、出物の親木について、一度育ててから聞くと良くわかります。
おまちかねの種子交換。皆さんそれぞれ育てた系統が違うので、熱心に種を選んでいきます。きっとこのような光景が江戸時代にも見られたのでは?さあ、来年に向けてがんばりましょう。

・9月13日(金)花盛り

9月に入り急に寒くなったと思いきや、朝顔が花盛りを迎えました。各所でも花盛りを迎えていると報告が入っています。

文化財課駐車場の朝顔。上のほうも咲いているけどよく見えない・・・ 建物から見下ろすと生垣の上にまでたくさんの花が。
 道路側のフェンスでも咲き誇っています。  牡丹咲きも混じっていました。道行く人は気づくでしょうか?
 朝顔のカーテンの上のほう(2階付近)に吹詰牡丹が咲いていました。誰か見てー!  こちらは広島県埋蔵文化財調査室(観音新町)の変化朝顔。白花と切咲が咲いています。

・9月1日(日) 第4回講座実施

講座も回を重ね、第4回目の講座の実施日がやってきました。今回の内容は、朝顔の皆さんの出品した鉢を交えての観察会から始まりました。しかし、当日は台風が接近しており、あいにくの雨(しかも大雨)。それでも参加者の皆さんは熱心に話を聞いていました。

大雨の中、朝顔の鑑賞からスタート。事前に鑑賞のポイントを説明しました。 展示場の中と外に分かれて話を聞く参加者の皆様。どんなに大雨が降ろうが気にしない熱心さです。
手に持っている同じ系統から出た花で、花色の変化の説明もしました。それぞれの花で花色が違っています。 後半は採種と保存の方法、試験まきについての講義がありました。講座終了後に参加者の方に話を聞くと、「今年は育てるだけで必死だったが来年はこんなことをしてみたい・・・」との声が。歴史や科学を学ぶとしてみたいことがたくさん出てくるようです。
押し花で団扇を作ってきた方も。これならいつでも花を楽しめます。 最近雨が多く、採種をせずに放置していた担当の朝顔。井上さんの講義であったように、雨が続き湿度があるまま放置していたので種がついた状態で発芽しています。しまった!


・8月28日(水) 変化咲きアサガオ展 開催中です

8月24日(日)から、植物公園で「変化咲きアサガオ展」が始まりました。(〜9月1日(日)まで)
朝顔が綺麗な午前中に見に行きましょう!

展示開始の前日、講座参加者の皆さまから、展示に出品する鉢の搬入がありました。各々の仕立て方について熱心な情報交換も。 出品カードに育てた感想などを書いていただきました。
搬入後は展示の準備にかかります。
鉢と出品カードを合わせていくのが結構大変!
鉢を並べ終えた展示場の様子です。
   
展示場にはこんなスペースも。
江戸時代の狭い庭先のイメージで。水鉢にはメダカも泳いでいますよ。
あいにくの雨でしたが、25日(日)には植物公園井上さんの展示解説と変化朝顔のタネの配布が行われました。
来年ぜひ、楽しみながら育ててみてくださいね。

・8月16日(金) 開花状況

植物公園の「変化咲きアサガオ展」まで、あと1週間です。皆様のアサガオの様子はいかがでしょうか?
文化財課では、地植えにした親木の朝顔の牡丹咲きが咲きました。そして既にタネができているものも・・・!
新たな虫害にもあっています。

種採り用に地植えにした株から、いくつか牡丹咲きがでました。
こちらは、KRSBの親牡丹です。
NIR藤の親牡丹と思われます。
NiIto紅の親牡丹です。 朝顔のカーテンの様子です。少し寂しい・・・かな?
右下の「黒王」は、摘心したつるを地面に挿しておいたら花が咲きました。挿し木でも楽しめるようですね。
枝垂れる種類(写真はQ0674)は、伸びすぎたつるの先を切ったり、つるをたくし上げたりするとよいそうです。少し分かりにくいですが、左側のものはたくし上げたつるを竹の棒にひっかけています。 気づいたらタネが出来ているものがありました。しかももう中身が落ちているものまで・・・。タネについては、次回の講座で詳しく話をしますが、株ごとに分けておくようにしましょう。
またまた虫です。今度のは大きい(泣)!
花が食べられています(怒)!!
ヨトウムシという虫のようです。
前回の薬(オルトラン)が適用できるようでしたので、今回もお世話になります。



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