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生育状況や開花状況がたくさんのっています。

・7月31日(水) 開花状況

 ここ数日の間に変化朝顔が次々と開花しています。「青斑入蝉葉濃葡萄鼠丸咲大輪(黒王)」という系統の朝顔の名称の中に「大輪」の2文字があったので、担当でどちらが大きな花を咲かせられるか大輪勝負をしていました。気分は江戸の花相撲です。さて、結果は・・・

文化財課の鉢植え朝顔。他にもカーテンにしたものや、フェンスに絡ませたものなどが次々と開花しています。  担当で大輪の勝負をしています。品種は黒王。左が担当Aの蔓作り(螺旋)で12.5cm、右が担当Bの切込み作りで10.5cmでした。大輪としては小さいです。20cm超えの日はくるのでしょうか?
こちらは木立。何もしなくても切り込み作り風に仕上がっています。 こちらは参加者の「青斑入蜻蛉葉木立紅覆輪星咲」です。星咲が素敵です。

・7月19日(金) ここでも見れます!

なかなか目にすることの出来ない変化朝顔ですが、市内の各施設でも見ることが出来ます。昨年度、緑のカーテンコンクールで最優秀賞を獲得した西区の井口公民館でも、変化朝顔を栽培していただいています。他にも郷土資料館・広島城・こども文化科学館・江波山気象館・まんが図書館・福田公民館・吉島公民館などで栽培していただいているので、伺うと見ることが出来ます。

 花であふれる井口公民館。オーシャンブルーの緑のカーテンが目を引きます。変化朝顔の出物は駐車場奥のフェンス際にあります。  道路際にもそって、変化朝顔の親木が咲いています。中には牡丹咲きもあります。葉がちぢれている種類なので枯れていると思われ、通りかかる人に「水が足りんよ」とよく言われるそうです。
 井口公民館のナデシコ咲きの変化朝顔。 井口公民館の牡丹咲きの変化朝顔 。


・7月19日(金) 開花状況

今年は出物のあたりが少なかった文化財課の変化朝顔ですが、ようやく鮮やかな牡丹咲きが咲き始めました。見た目にも派手な牡丹咲きですが、このような変化咲きを作った江戸の園芸家に感心してしまいます。

 Q0674「青班入蜻蛉柳葉枝垂紫采咲牡丹」。枝垂れの牡丹咲きの出物になります。  左と同じQ0674の親木「青班入蜻蛉葉枝垂紫丸咲」。枝垂れは花も下に向いています。
 「黄鍬形葉吹詰茶丸咲牡丹」なのですが、色の変異をつかさどる遺伝子が抜けて紫になり、吹詰(花弁の数が増える変異)も抜けてしまっているようです。 「 台咲吹上牡丹」の一重咲きです。かろうじて台咲(花筒に折りかえった部分ができる)が出ています。

・7月13日(土) 第3回講座(実習)実施日

第3回目の講座を開催しました。午前は江戸の園芸からみた歴史の講座を行い、午後からはつぼみから牡丹咲きを探る「牡丹探り」と仕立ての実習を行いました。

 焼成した第2回目の講座で作成した植木鉢。この鉢を持って帰り、変化朝顔を植えてもらいます。  参加者が持ってきた変わり者。双葉がひっついて一つ葉になっています。植物公園によると、つるが出る場所がないので、これ以上は育たない可能性が高いとのこと。
午前中の講座。園芸が盛んになった時代背景や、広島での江戸時代の園芸を紹介しました。 広島城跡の武家屋敷跡の出土遺物も紹介しました。
上の写真は「半胴甕(はんどうがめ・はんどがめ)」という甕の底の部分で、穴をあけて植木鉢として使っています。鉢植えが始まった頃は甕や火鉢などの底に穴をあけて植木鉢に転用していました。今でも桜草愛好家の間では「半土(はんど)」という同じ形の植木鉢が重用されています。 広島城跡の武家屋敷跡から発掘された植木鉢。上段中央の白い植木鉢の底には、墨書きで「室津や」と書かれています。出来のよい鉢植えを持ってきたのでしょうか?
 午後の実習。まずは花が咲く前に牡丹咲きを見極める「牡丹探り」の実習です。早い段階で牡丹咲きを選別し、よい植木鉢に仕立てることができます。  静まり返ったなか、牡丹探り中。耳元で小さなつぼみをつぶし、プチプチ音がするか確認しています。しゃべると聞こえなくなるのですが、音が聞こえると、つい「ほー、なるほど!」という声が出てしまいます。
 次に仕立ての実習です。芽の摘み方、江戸時代にあった仕立て方など様々な方法を解説しました。 栽培温室の見学も行いました。(参加者)「こんなにたくさん育てているの?」、(担当)「昨年よりはだいぶ少なくなりました」とのやりとり。変化朝顔を展示するためには、たくさん栽培する必要があるのです。


・7月12日(金) 次々と咲き始めています

 変化朝顔が次々と咲き始めました。文化財課では残念ながら牡丹咲きがまだでていませんが、参加者の皆様は早くもいろいろと咲いているようです。

  蝉葉牡丹の一重、ふきつめの一重、初霜が咲いています。  フェンス沿いでは糸柳の親木が咲いています。
 初霜。大輪咲でなかなかきれいです。よくみると・・・  切れ咲きになっており、おしべの1つが変化して花弁化していました。
 こちらは参加者の安部家の蝉葉牡丹。(7/10撮影)  こちらは参加者の荒谷家の糸柳系からでた柳の采咲。(7/10撮影)


・7月3日(水) つぼみが付き始めました

 文化財課で栽培している変化朝顔につぼみが付き始めました。せっかくなので咲く前に牡丹咲きを調べる「牡丹探り」をしてみました。
参加者の皆さんのなかにはすでに開花したものもあるそうです。

 鉢植えにした変化朝顔。ここのところぐんぐん育っています。  駐車場に植えた変化朝顔、ぐんぐん伸びています。
 一方、緑のカーテン用の変化朝顔。地植えで生育がよさそうな親木を植えたのですがあまり伸びないです・・・。  敷地の隅には昼顔(地生)が咲いています。
牡丹咲きの出物系である蝉葉牡丹のつぼみ。ツルとツルの分かれ目に、つぼみが付いています。 ためしに牡丹探りをしました。つぼみを耳元でつぶして、プチっと音がしたら一重、もわっとして音がしなかったら牡丹咲きです。
 今回はわかりやすいように半分に切りました。中におしべとめしべ(白い部分)があるので一重咲きです。残念ながら文化財課のもう一鉢の蝉葉牡丹も一重咲きでした。江戸の栽培家たちも牡丹探りで一喜一憂していたのでしょうか。  参加者の荒谷家でははやくも花が咲き始めています(7/1撮影)


・6月8日(土) 第2回講座(実習)実施日

 いよいよ第2回目の講座がやってきました。今回は午前中に江戸風の植木鉢作りの実習です。自分たちで作った植木鉢に朝顔を植えることを目標に作成。今回作ったものは第3回の講座までに焼いて完成させます。午後からは出物タイプの苗の特徴を見て、出物と親木に選別する実習を行いました。

開始前から朝顔談義が始まります。皆さんが自宅で育てている朝顔が芽が出てきている時期で、毎日気になってみているようで話がつきません。 植木鉢作りの始まりです。はじめに江戸の植木鉢について説明。植木鉢って江戸時代の発明品なんです。
大人になってなかなか粘土に触れることもないようで、楽しくそして真剣に作っています。「イメージどおりにならなーい」との叫びも。 皆さんの作品たち。初めて作ったとは思えないような完成度の高いものもあり、焼き上がりが楽しみです。
午後からは苗の選別の実習です。出物と親木候補(種とり用)を苗を見分けていきます。選別から外れた必要のない苗(大半の苗)は容赦なく捨てていくという話を聞き、参加者からは「もったいない・・・」との声が。 机に座っていては大事なところが見えない、というわけで皆様前に来てかぶりついて話を聞きます。
選別したら次は鉢上げです。土の作り方から説明です。 広島あさがお研究会の会員から、鉢の違いや肥料などの用品の展示もありました。かゆいところにも手が届きます・・・、ありがとうございます。



・6月6日(木) 鉢上げをしました! そして再び虫が…

 本葉もでてきて、ポリポットの中でかなり根が張ってきたので、ポットから鉢へ植え替えをしました。
 土は、培養土(種まき時と同じ、花と野菜の土)に緩効性の化成肥料をまぜたものを使用しています。
 …数日後、一旦収まっていたかにみえた虫が再び発生してしまいました。

展示を目指す株(正木タイプ各1株ずつ、出物タイプの出物など)は、1回目の講座で配布した資料を参考に、種類に応じたサイズの鉢へ植え替えました。 あまり大きくならないKRSB(管弁流星獅子咲牡丹)の出物の株は、小さめの鉢へ。大輪系の株は大きめの鉢へ。
その他の株(出物タイプの親木など)は、タネがたくさん取れるように地植えにしました。花模様がきれいな正木の株も間に入れて、変化朝顔の緑のカーテンを目指します。(5/29撮影) 鉢上げを終えて、ほっとしたのもつかの間・・・。
再び虫が発生し、本葉が食べられています。
今回は対策として植物用殺虫剤(オルトラン粒剤)を、まいて様子をみることにします。

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