WEB博物館企画展第4弾 「ひろしま考古生き物図鑑」




古今東西、自然界には実在しない
数多くの想像上の生き物が信じられてきました。
それらは神話や伝説・説話のなかで生き続け、
イメージが形作られてきました。


 シャチ(鯱)
 
分類  想像上の生き物
分布  屋根の上
 シャチといっても海にすむシャチではなく、魚の形をし、頭が龍もしくは虎をしている想像上の生き物です。古代の屋根飾りの「鴟尾(しび)」が変化したものといわれます。口から水をはくとされ、火事よけとして屋根を飾っています。
     
遺跡でも見つけたよ!  
   
     
名前  鯱瓦(江戸時代)
遺跡  広島城跡八丁堀地点(中区)

 広島城の建物のどれかの屋根に置かれていたものでしょう。(点線はもとの形のイメージです)
 


 ホウオウ(鳳凰)
 
分類  想像上の生き物
分布  天空、仙人のすむ山
 中国神話の伝説上の霊鳥です。有名な平等院鳳凰堂(京都府)をはじめ寺院でも装飾に使われ、現在の1万円札の裏のデザインにも描かれています。
     
遺跡でも見つけたよ!  
 
   
名前  磁器の鉢(江戸時代)
遺跡  広島城遺跡基町高校グラウンド地点(中区)

 天空を軽やかに舞うホウオウの姿でしょうか?
 


 リュウ(龍)
 
分類  想像上の生き物
分布  地上、空中、水中など
 巨大な爬虫類の様な姿をしています。霊力をもち、雲や雨を自在にあやつり、強さの象徴でもあります。絵画や彫刻など、様々な形で使用されました。
     
遺跡でも見つけたよ!  
 
   
名前  磁器の碗(江戸時代)
遺跡  広島城跡法務総合庁舎地点(中区)

 天空を勇ましく飛ぶ龍の姿です。
  名前  磁器の碗(江戸時代)
遺跡  広島城跡法務総合庁舎地点(中区)

 龍?どこかヤツメウナギみたいです。


 シシ(獅子)
 
分類  想像上の生き物
分布  神社?
 シシはふつうライオンと訳されますが、ライオンをモデルにした想像上の生き物です。神社ではコマイヌが対で置かれていますが、口が開いた右側のコマイヌを、本来はシシと呼びました。
     
遺跡でも見つけたよ!  
 
   
名前  土人形(江戸時代)
遺跡  広島城跡法務総合庁舎地点(中区)

 


 コマイヌ(狛犬)
 
分類  想像上の生き物
分布  神社の入り口など
 イヌではなく想像上の生き物で、神殿や仏殿を守護します。魔除けの意味を持つといわれます。本来はシシと一対で置かれましたが、やがて、どちらもコマイヌと呼ばれる様になりました。
     
遺跡でも見つけたよ!  
   
     
名前  上段:土人形/下段:軟質施釉陶器(なんしつせゆうとうき)の人形(江戸時代)
遺跡  広島城跡法務総合庁舎地点(中区)

 


 番外1:謎の動物
 
 岡谷遺跡(安芸区矢野町)の弥生時代の竪穴式住居跡から見つかった小さな土製品で、7.3㎝ほどの長さです。本来4つの脚があった様ですが、ケモノ?それとも両生類?何の動物なのかはっきりとしません。何ともユニークな表情で、地元ではマスコットキャラクター「やのみー」として親しまれています。


 番外2:オニ(鬼)
 
 人間の姿に似た想像上の怪物で、説話・昔話などでおそれられる存在としておなじみです。角に牙、ふんどし姿のイメージがあります。写真は広島城跡太田川河川事務所地点(中区)で見つかった鬼瓦です。


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