広島市域における貴重な室町時代の建物

明光寺薬師堂
(安佐北区深川)
      
明光寺 明光寺
明光寺薬師堂 絵葉書「安芸国安佐郡深川村薬師橋」
※マウスをのせると現況を見ることができます
 明光寺薬師堂は室町時代末期に創建された建物で、市指定重要有形文化財です。平成5年(1993)に行われた保存修理の際に須弥壇の下から墨書が見つかり、江戸時代に2度にわたって大きな修理が実施されたことがわかりました。創建当初は茅葺き、こけら葺きであった屋根は江戸期の改修で瓦葺に改められ、平成5年の修理で創建当初の雰囲気に修築され銅版葺きになっていますが、建物の内部は室町時代の建築技法を今日に伝えています。
 建物内に安置されている県重要文化財の木造薬師如来坐像は、室町時代中期の作と考えられていますが、弘法大師が可部福王寺の不動明王立像の二番木で作ったという伝承もあります。この薬師像は昔から人々に「オヤクッサン」の呼称で親しまれ、毎年5月8日の開帳の日には、多くの参詣者でにぎわったと伝えられています。右の絵葉書は明治末期~大正前期に発行されたものですが、薬師堂(写真左端)と「深川薬師古跡参詣記念」のスタンプが確認できます。

JR芸備線 中深川駅下車 徒歩5分


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