県天然記念物
新庄の宮の社叢(しんじょうのみやのしゃそう)
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名称 新庄の宮の社叢(しんじょうのみやのしゃそう)
指定年月日 昭和29年6月30日
概要 主要樹木の胸高幹囲 
クスノキ:6.40m 5.50m 
ムクノキ:3.25m 3.08m
エノキ:3.04m 
タブノキ:2.81m 
ケヤキ:2.14m 
ムクロジュ:1.93m他
所在地 西区大宮一丁目1-9 新庄の宮神社境内

 周囲を市街地に囲まれ、国道54号線に面する新庄の宮は、巨大なクスノキがあることでよく知られています。鳥居のそばに2本並ぶそのクスノキは、「夫婦楠」と呼ばれており、どちらも樹高は約30m、太さは大人が3〜4人がかりでやっと抱えられるほどで、他を圧する大きさです。樹齢500年前後と推定されるこの大クスノキの他にも、境内にはタブノキ、ナナメノキ、サカキ、ヤブツバキなどの常緑広葉樹や、ケヤキ、ムクノキ、ムクロジュなどの落葉広葉樹がこんもりと茂り、樹高30mを超すほどの大木も多く見られます。
 この新庄の宮は扇形に広がる太田川デルタの北端にあります。今から400年あまり前のデルタは、砂州が発達してできた大小の島々の上に木々が茂り、岸辺には一面にアシが生える寂しいところだったと言います。その後、天正年間(1573〜1591)に毛利氏が広島城下を開いて以来、デルタの当初の自然景観は次第に失われていきました。それでも戦前には「国泰寺の大クスノキ」をはじめ、各所にかなりの巨樹が見られました。しかしそれらも原爆で焼失し、今ではわずかに皆実高校付近(南区皆実町)などに残るだけとなっています。デルタ上には、この新庄の宮の社叢ほどの規模で昔のままの森が残されているところは他になく、かつてのデルタの自然植生を教えてくれる貴重なものとして注目されています。


「広島市の文化財」広島市教育委員会編より。
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