市指定重要有形文化財 筒瀬八幡神社本殿(つつせはちまんじんじゃほんでん) |
中国山地に源を発する太田川は、狭い谷間を蛇行をくり返しながら流れてきます。筒瀬八幡神社本殿はこの川岸で社叢に包まれるようなかたちで建っています。 現在の本殿は、棟札により江戸時代の中頃にあたる明和5年(1768)の建立であることが判明しており、この時に、神社そのものが現在地に移転したと伝えられています。 建物の形式は、安芸地方でよくみられる三間社流造ですが、なんといってもこの本殿の外観を特徴づけているのは腰組です。身舎の背面を除く三方に廻した縁を支えるために組物を三段持送った形(三手先)で構成されています。整然と並んでいるその姿を見ていると小振りながらも、どこか大規模社寺建築の豪壮でリズミカルな印象をこの腰組は与えてくれています。 また、向拝上に設けられている透かし彫りの美しい蟇股や妻飾りの獅子頭などは江戸時代の良作とされ、この建物の時代的特徴をよく表しています。 なお、この神社を取り巻く社叢もまた、本市の天然記念物に指定されており、中国地方の川岸の典型的な植生を保っており、歴史的な本殿の景観をより一層高めています。 |
「広島市の文化財」広島市教育委員会編より。 |
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