市指定天然記念物 養山八幡神社の社叢(ようざんはちまんじんじゃのしゃそう) |
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広島市の北西端にある安佐町小河内の集落は、山あいを流れる小河内川に沿って細長く続いています。その中の堂原河内というところにある養山八幡神社は、かつて牛頭(うしず)山山中の高野にあったものが、天正17年(1589)に現在の地に移されたと伝えられています。 境内に通じる石段の両側はスギの並木になっており、並木の外側に続く急な斜面には、ウラジロガシ、ヤブツバキ、サカキ、カヤ、ヤブニッケイなどの常緑広葉樹が見られます。また、石段を登りつめて境内に入ると社殿の西側から後方にかけて、ツクバネガシの大木が社殿を守るように取り巻き、見事な森林を作り上げています。平成3年の台風19号によって、倒壊しましたが、社殿の西側後方にあったツクバネガシは、胸高幹囲が4.47mもあり、広島県内でも有数の大きさを誇っていました。その樹齢は明らかではありませんが、養山八幡神社がこの地に移されたとされる400年ほど前には、すでにここに生えていたものでしょう。 広島市内の多くの社叢には、ツブラジイ、アラカシ、タブノキ、エノキなどがよく生育していますが、ここのようにツクバネガシが大半を占める群落は他にはなく、大変珍しい例と言えます。 海抜270mにある養山八幡神社の周辺の山々は、もともとこの神社の社叢に見られるような、ツクバネガシ、ウラジロガシなどが優先する内陸性の常緑広葉樹林が広がっていたと考えられています。しかし今では、すべてアカマツの二次林になっています。 |
「広島市の文化財」広島市教育委員会編より。 |
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