■謎の土器

 発掘調査では変わった形をした使い方のわからない土器が見つかることがあります。広島市内の遺跡で出土する、メガホンのように筒形で背が高い土器もその一つで、甑(こしき)に形が似ていることから、コシキ形土器と呼ばれています。コシキ形土器は、山陰地方に多く、さらに広島県北部や愛媛県などでも出土しています。
 そもそも甑とは米などを蒸すために水をはった甕の上に乗せて使う道具のことですが、コシキ形土器が実際に甑として使われたのかは不明で、他にも諸説あり、いまだに結論は出ていません。いずれにせよ、コシキ形土器の多くは住居跡から出土しており、生活に深い関わりがあった土器であることは確かなようです。

筒状になっているコシキ形土器

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