■逆さに埋められた甕(広島城跡裁判所地点)
底部を打ち欠いた甕をさかさまにして地中に埋め込んだ施設です。通常は、単独で見つかることが多いのですが、写真のものは、三基が重なるようにして見つかりました。埋められた高さが、左に行くに従ってだんだん高くなっており、屋敷割の土盛りに対応して同じ場所に同じ役割の施設が繰り返し造られたものと考えられます。施設の性格としては、雨水等を一時的にためておく枡ような役割が考えられます。
●広島城跡裁判所地点全景(中区上八丁堀)
写真左端が中堀跡で、それに続くほとんど遺構のない部分が土塁を削った跡と考えられます。土塁に沿うように東西・南北方向に溝や石列が走り、奥側に見える法務総合庁舎地点と比較して、廃棄土坑などの遺構が少なく、おそらく長期間連続して屋敷の建物が建てられていた区画であったものと考えられます。