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■コラム〜連隊・旅団・師団・軍〜

 明治時代、陸軍兵力の基本は歩兵です。連隊長が指揮する歩兵連隊は、平時において1,500人程度で、地元の連隊区から徴兵・召集するので非常に郷土色の強い部隊となります。この歩兵連隊2個を基幹に編成されるのが旅団です。指揮官がいる所は連隊までは本部と呼びますが、旅団以上は司令部と呼びます。2個旅団を合わせて一つにしたものが師団で、これに砲兵・工兵・騎兵・輜重といった任務別に編成された部隊も入り、平時で約1万人規模の集団となります。1個師団単独で作戦行動をとる場合もありますが、戦地で大規模な作戦行動をとる場合、複数の師団で構成する軍と呼ばれる集団も存在します。
 日清戦争直前には、第5師団(広島)の下には、歩兵第11連隊(広島)と歩兵第21連隊(広島)で構成された歩兵第9旅団、歩兵第12連隊(丸亀)と歩兵第22連隊(松山)で構成された歩兵第10旅団がいました。
 日清戦争が開戦すると、第5師団(広島)と第3師団(名古屋)で第1軍を編成しました。

 

■日清戦争時の師団構成概略図

日清戦争時の師団構成概略図

 

 戦場で大きな作戦をする場合、数個師団を束ねて軍と呼ぶ集団を形成することもありました。また後には、歩兵旅団に砲兵部隊や工兵部隊等を入れた混成旅団なども誕生しています。昭和に入ると歩兵連隊1個を減じ3個の歩兵連隊を核に誕生させた師団も誕生しています。

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