■解説 〜日清戦争〜

 明治27年(1894)1月からの朝鮮で東学党の乱(甲午農民戦争)に際し、清国が朝鮮に派兵しました。日本もこれに対抗して6月に第5師団に対して動員命令が下され、先行して朝鮮半島に上陸した歩兵第9旅団が基幹となる第9混成旅団が7月に日清戦争の最初の地上戦となる成歓の戦いに参戦しました。
 8月には第5師団の主力も宇品港を出航し、第1軍に編入され9月の平壌攻略戦や10月の鴨緑江渡河作戦、翌年3月の牛荘の戦いに参戦しています
 この時、東京から鉄道を使って行ける西端が広島で(広島以西は工事中)、5年前に完成していた宇品港から朝鮮半島へと軍隊が出ていくこととなり、広島駅と宇品港の間には軍用鉄道が敷設されました。それまで、一地方都市に過ぎなかった広島市は、国内における戦争の最前線基地となりました。

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