■解説 〜広島陸軍兵器支廠〜
陸軍兵器廠は、兵器製造の事務、各方面への兵器分配、支給を受け持つ部署で、前身組織である砲兵方面※1に代わって明治30年(1897)に設置されました。業務の内容は時代とともに変化しており、昭和7年(1932)には、兵器の購買、貯蔵、保存、修理に加えて、検査、補給及び廃品処分を受け持つようになります。さらに、昭和15年(1940)には兵器・弾薬の製造が加わりました。広島には砲兵方面時代から支署が置かれていましたが、明治30年の兵器廠誕生とともに、広島陸軍兵器支廠が設置されました。昭和15年には、兵器補給廠に名称変更となりました。主な業務は兵器や弾薬等の購入・保管、兵器の整備や修理、砲弾への炸薬装填(さくやくそうてん)※2などの火工作業、兵器類の各部隊への支給でした。
※1:明治8年に設置された兵器製造や、兵器の支給・分配を行う機関
※2:爆薬を砲弾に詰める作業