広島大学 県立広島大学 (財)広島市未来都市創造財団文化財課 連携事業 広島の文化財講座
広島学講座(広島学セミナー) 『三浦教授と行く 広島歴史探訪フィールドワーク「中世祈りの空間」』

 台風が過ぎ去って蒸し暑さも増した平成23年7月23日(土)、建築学の第一人者、広島大学大学院の三浦正幸教授を講師にお迎えし、広島市と安芸高田市の寺
社に残る中世の建築を巡るフィールドワークを実施しました。今回は非公開の玉殿(神社の本殿の中に収められた、本殿を小型化した様な建築)を3ヶ所も見学し、
この広島に眠る誇るべき貴重な文化遺産を知ってもらうことができました。御協力いただきました関係者の皆様、大変有難うございました。
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  • 開催風景1

    広島市重文 明光寺薬師堂
     1539(天文8)年建立という、市内に残る数少ない貴重な中世の寺院建築です。この部材に彫られた「木瓜渦(もっこううず)」という装飾はなんと日本最古とのこと!内部に安置された県重文の大きな薬師如来坐像もとても見応えがあります。

  • 開催風景2

    県重文 常盤神社玉殿
     ここの中世の玉殿3基のうち両側の2基の屋根は、垂木(たるき)なしで杮板(こけらいた)が葺いてあり、室町時代の庶民の住居の屋根の姿を日本で唯一残しているそうです。参加者も感嘆されていました。

  • 開催風景3

    安芸高田市重文 日高山神社本殿・玉殿
     毛利元就が亡くなった年の1571(元亀2)年建立です。本殿の部材の一部には当時の大変優れた彫刻や、生々しいのみの痕も見られます。中世の本殿の中に入る貴重なひと時です。

  • 開催風景4

    宮崎神社玉殿
     安芸高田市歴史民俗博物館で日南観音堂厨子を見学した後に訪れました。毛利氏とゆかり深い神社として知られる宮崎神社だけに、玉殿にはその家紋が見られます。ところが良く知られているものとは逆に「三つ星」の下に「一」が。「一文字三つ星」紋がまだしっかり定まっていない時期の名残だろうとのことです。歴史への興味は尽きないですね。