指定の理由 |
青磁や染付、天目茶碗など中国大陸からの輸入陶磁器類、土師質土器や瓦質土器、備前焼などの土器類、金銅製の鋲や飾り金具、鉄鏃や刀子・笄などの武器具類、大量の釘や毛抜き・古銭などの出土品が見つかりました。これらは、発掘調査された市内の他の山城と比べても際立っています。室町・戦国時代の国人領主の居館城と推定される山城跡から出土したもので、領主の経済力や当時の交易の様相、および居館における日常生活を知る上でも貴重な資料として、159点が広島市重要有形文化財になっています。内訳は磁器24点、陶器18点、土器32点、銅製品52点、鉄製品23点、鉛製品1点、石製品7点、土製品2点です。
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輸入陶磁器 |
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大量に出土した輸入陶磁器 |
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青磁の出土状況 |
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14世紀後半(中国・元)、龍泉窯で作られた青磁の鉢。釉薬の厚みがよくわかります。 |
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13世紀末~14世紀初め、龍泉窯(古)で作られた青磁の碗。ロクロ形成後、高台を削り出してます。(写真・左)
14世紀後半(中国・元)、龍泉窯で作られた青磁の碗。ヘラ状工具で蓮弁文を描いています。 (写真・右) |
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16世紀中葉、龍泉窯で作られた青磁碗。いずれも内外面とも濃灰緑色の釉薬が施行されています。外面にヘラ状工具で蓮弁文を描いています。 |
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12世紀前半(中国・南宋) の中国産白磁碗。底部外面を除き、内外面とも白色の釉薬が施されています |
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14世紀~15世紀頃の中国製天目茶碗。ロクロ成形後、高台を削り出してます。 |
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16世紀の李朝井戸茶碗。全体に灰白色の釉薬が施されています。見込みには重ね焼きの跡があります。 |
瓦質土器 |
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全体に煤が着いていることから、煮沸用の鍋として使用されたと考えられる瓦質土器。井戸の底から出土しました。 |
陶 器 |
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備前焼のすり鉢で、14世紀後半から16世紀初頭のものと考えられます。 |
鉄製品 |
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金属の武器類です。右端は小札・上は刀子、その他は鉄鏃です。 |